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河内保二主宰の経済工学リサーチの発信情報

河内保二主宰の経済工学リサーチの発信情報

経済工学リサーチのブログ

このホームページは、経済問題と工学問題を研究して、発表しようというページです。研究の対象をものつくりに置き、特に工業生産について研究しております。最近の発表として、国内空洞化のなかで、ものつくりの存続について論じています。堅苦しくて、文字ばかりで、読みにくくて、恐縮です。軽い気持ちでお読み下さい。*********************************************************************
政府は、経済産業省、厚生労働省、文部科学省が共同提出した「製造基盤白書(ものづくり白書)」を発表した。白書は中国経済の台頭による日本の産業空洞化を強く懸念している。中国、タイ、シンガポールなどに進出した日本企業のうち、半数程度が、進出先の技術水準が5年後には「日本とほぼ同じ」になると予測、中国を始めとするアジア地域の技術水準が急速に向上する可能性を指摘したという。また、中国に進出した企業の83・0%が、現地工場を今後、強化・拡大するとしている一方、海外に進出した企業の29・4%が、国内の工場を今後、縮小・撤退するとした点を挙げ、国内産業の空洞化に対する懸念を強めている。その上で、白書は、日本企業が研究開発能力の向上や、IT(情報技術)の活用や経営資源の「選択と集中」による効率的な経営を進めることなどで、空洞化に対処していく必要があることを強調した。ものづくりの現状では、商品のリードタイムの短縮、効率的な調達、顧客情報の管理などを目的としたITの活用が行われている。また、中国などアジアにおいて生産能力が強化される中で、国内においては多品種少量・高付加価値製品の生産体制を実現する取り組みが行われている。特に次の項目が取り上げられている。
1.製品開発におけるCAD/CAM/CAEの活用
2.SCMの導入
3.デジタル化と熟練技能
4.セル生産方式
5.モジュール化
◆上記の3.以外は、”ページ一覧”の「製造業の存続論」で取り上げて論じております。論旨の一致に驚いております…。
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65歳に「経済工学リサーチ」を設けて、その主宰となっているので、経済と工学とバラバラでなく、「経済工学」と続きの論説に出会うと、関心を払わざるを得ない。経済にしても、工学にしても、その分野だけでは間に合わない時代になっていると思っている。経済も工学が欠かせないし、工学も経済が欠かせない関係にあるというわけである。現在の横浜国大(当時は横浜高工)で機械工学を学び、中央大学で経済を学んだことから「経済工学」という立場にいる。最近、大阪市立大学教授・塩沢由典著「マルクスの遺産」が藤原書店より刊行され、竹内佐和子・都市デザインセンター長の書評を読んだ。人間は利潤極大化のために動くという経済学の前提がいかにおかしいか、その観点からこの本の最終章は評者のわが意を得たりの感があるという。評者は東大で二年前から「都市経営論」という講座を開設しているが、その講座では「国と個人の間で経営単位を無数に作り、その中で経済と工学的な知識を用いて社会的実験を繰り返し、新しい経営システム論を作り出す。これは21世紀の経済の格好なテーマだ」と述べているのが、経済工学リサーチ主宰としては、さもありなんと、わが意を得たりの感じでいる。


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